「バンクシー展 天才か反逆者か」
先日「バンクシー展 天才か反逆者か」を鑑賞しました。
バンクシーは、反戦、反暴力、反体制などの作品が多い中、
私が特におもしろいと感じた作品は「Napalm」でした。
子供の頃から「夢の国」や「ハッピーセット」で飼い慣らされるうちに
いつしかそれが刷り込まれ後世に受け継がれていくという、
資本主義経済の巧みなエコシステムがポップに描かれています。
個展の最後には「風船と少女」が「愛はゴミの中に」散っていく映像が流れていましたが、
これは投機対象としてのアートに対する作家のアンチテーゼなのでしょう。
NFT(非代替性トークン)がアートを投機的にしていることは間違いありませんが、
いっそNFTにせず「燃やして」一人ひとりの記憶に刻んだほうが、
よほど作家冥利に尽きるのではないかと思います。
小川 信幸